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停電12時間

台風21号。朝から雨戸は閉めたまま、外のものは片付けてあるし、一日家の中でじっとしていよう、と考えていた。次第に風が強くなる。雨も降ってくる。そして、午後3時、フッと電気が消えた。「停電だ」

最近の電気器具はスイッチを切っておこうとしても、スイッチさえも電気が通じないと切れないのだった。暗い。仕方ない、明かり取りのために雨戸を開ける。うわ~、お隣の家のカーポートがぐわんぐわんと風に動いている。「飛んでこないでね」と祈る。近くの森から暴風のたびに木の葉や枝がちぎれてこちらへ飛んでくる。テレビもパソコンも使えないから情報は、娘のスマホと電池式のラジオのみなのだ。

夕方5時前、「暗くなる前に夕食の準備をして、手元が見えるうちに食べないといかん」という考えに至る。「そうだね。でないと黒魔術の会みたいな夕食になっちゃうし」と娘。運良く家にいた娘二人をたまには働かせないと、という母の深い愛情により、夕食指示。「お湯のポットは、まだ熱いはずだから、その中に温めるだけのハンバーグのパックを放り込むのだ。そうしておいてから、サラダを作りたまえ。あとは、こういうこともあろうかと昼に作っておいたカボチャの煮物と昨日の残りのひじき、これで完璧だ」

娘達が夕食準備をしているうちに、私はろうそく準備。ガラスの器に入ったろうそくがあるが、残りが少ない感じ。そこで、長年取ってあった、お誕生日ケーキのろうそくをそのガラスの器ろうそくに立てて使う、というアイデアを実行。いろいろなタイプのろうそくがあった。すごく細くて長いもの、3cmくらいのものなど。割とすぐ燃え尽きるので、何回も取り替えた。(そのくらいたくさん取ってあったのだ) あんまりケチケチやっていたので、姑に「ろうそくならもっと太いのがたくさんあるよ」と取りに行かれてしまった。いえいえ、太いのもあるんですが、資源の有効活用です。太いというなら、結婚式の時のむちゃくちゃ太い高さ60cmのろうそくだってあるんだから。とまあ、普通の夕食を食べることができたが、あとは、することもない。

幸い、雨がやんで風が涼しかったので、2階の窓を開けて外を眺める。「やっぱり暗いねえ。あのコンビニは明るいけど、非常時に備えて自家発電ができるんだよね。」「ところどころの街灯が点いてるのは、なんだろう」などとしゃべっていた。娘がスマホで中部電力のサイトを見て、「あ、阿久比のどこどこが復旧した。」「半田のどこどこが復旧したようだ」などと情報を伝える。窓から見える景色の名鉄線路より向こう側が明るくなっている。よしよし、中電の方々、がんばってくれ。次はここかな、と期待する。かなり遅くなって、「阿久比の卯坂南が復旧した」と言った。やはり役場のあるあたりは大事なんだな。ふーむ。でも、きっと次はそのすぐ北にある我々だろう、と思っていた。「あ、日間賀島が復旧した」くそ、負けた。しかし、いつまで待ってもこのあたりは暗いまま。「あ、ご近所が車で出かける。きっと風呂屋に行くんだろうな」と娘が言う。なるほど。結局、諦めて就寝しました。

翌朝、電気が点いていた。やったあ。娘に訊くと、午前3時に復旧したとのこと。なんと12時間も停電だった。朝一番にしたのは、冷蔵庫の氷ができてたまっていくはずの引き出しを抜いて、中のくっつきあった氷をすべて洗い流して空っぽにすることでした。アイスなんかはもう一度凍ればなんとかなるだろう。やれやれ、久しぶりに防災を考える夜でした。あ、そうそう、ラジオを聞いてるとき、NHKの方が言ってたんだけど、懐中電灯の上に、水を入れたペットボトルを置くと、行灯みたいに部屋がぼうっと明るくなる。やってみましたとも。上に載せるには、大きい懐中電灯でないといけませんが、確かに、そんな感じです。

“停電12時間” への9件のフィードバック

  1. 福田章典 より:

    去年の台風では3日間停電というひどい経験をしましたが、今回は被害なし(琵琶湖の西側、比良山のふもと在住)。と思ったら、今朝のニュースで、関空が水没してしばらく復旧しそうにないことが判明。あさって関空発で、韓国に行ってアイアンマンレースに出る予定なのに、どうしよう!!とあわてて、セントレア初の便を押さえました。帰りが乗継便しかなくて、帰宅が遅くなるのがつらいけど、しょうがないね。
    同窓会欠席の天罰でしょうか?わたしが泳いで自転車乗って走って苦しんでる間に、みなさん楽しんでください。

  2. Tachibana より:

    うあ~、大変だね。3日間も停電だと、どうしたらいいのかわからない。関空も当分難しいようですね。今朝、北海道は大地震で、最近おそろしい映像ばかり見ている感じがする。どうしたらいいんだ。

  3. みらく より:

    生々しいレポートなのに、Tachibanaが書くとほっこりしてしまいます。(^o^)
    プチ被害は、同級生たちも結構あるようです。当日みんなの元気な顔が見られると安心できるんだけど・・・
    福田くんが関空から出発しようとしていたのは、想定外でした。
    なんか、日本海を泳いで渡るイメージが・・・(=^_^=)
    無事に完走して戻って来て下さいね。

  4. Tachibana より:

    そうだよ!とにかく無事に戻ってきてください!

    • 福田 より:

      ありがとうございます。ホテルでもいろいろトラブルがありましたが、何とか準備完了。もうすぐ就寝、明日は3時起き、7時前にスイムスタート、長い1日になります。がんばります。
      みなさんも同窓会準備ありがとう。行けなくてほんとに残念です。すばらしい会になりますように。

      • 福田章典 より:

        完走しましたよ~。罰が当たって、おなかが痛くなって、5回もトイレに行き、15時間10分かかりました。
        月曜の夜12時前に帰宅。昨日から仕事してます。
        連絡遅れてすみません。体ぼろぼろなので。

  5. Tachibana より:

    お帰りなさい!とにかく完走おめでとう。無事に帰ってこられてよかった、よかった。

  6. みらく より:

    遠方の方が出席可能かどうか、まず福田くんがコメントしてくれた。その応援が今回の同窓会成功に結び付いたと思います。そんな福田くんに罰が当たるはずありません。(^o^)
    同級生たちは、いつも福田くんの頑張りに元気もらってます。無理せず、体大切にしながら、トライアスロン続けてくださいね。

    • 福田 より:

      ありがとう。
      私は遊んでいるだけですが、もう少し頑張って、10年後も短い距離のレースでもいいからトライアスロンを続けていたいと思います。

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